プラスチック真空成形一誠技工舎へメールで連絡
お問い合わせは 048-997-2295
■真空成形トップ■真空成形って?■ブリスターって?■お面を作ろう。■立体印刷成形

3インクジェットでプリントアウトしたものに印刷成形は可能か。


印刷成形の写真
Kodak Photo CD
「インクジェットで刷ったもので印刷成形は可能か?」

左の写真は一誠技工舎得意の印刷成形品です。先に印刷をし、その「あと工程」として絵柄に合わせて凹凸を出して行くのです。今回はこの一連の工程の中のまた一部工程によく頂く(?)より。

1.なんでわざわざインクジェットで?

今回の(?)は最近よく頂き、実は私自信も以前より「どうなんだろう?」と思っていた(?)なんです。ここ数年のパソコンの普及とインクジェットプリンターの再現力の目を見張るほどの進歩がこの(?)を誰もが思うものに仕立ててしまいました。それでは答えにと行く前に「どの工程がなぜスポットライトを浴びるのか」を少し。

よくお問い合わせで「こんな絵柄に凹凸を付けたらどんな感じになるか、実際に作れないか?」と聞かれます。そしてこの言葉が必ずと言っていい程付いてきます‘企画段階で費用がかけられないんだけれど・・・’と。この「どんな感じになるか?」ということを見るためだけに成形品を作るにも絶対条件として‘成型できる印刷材料’が必要となります。


この場合の‘真空成型できる印刷材料’とは、1.本材料を使って 2.本印刷と同じ種類のインクで刷ったものがあればベストです。それには製版フィルムを作り、校正刷りをする必要があります。ここで‘企画段階で費用がかけられないんだけれど・・・’という言葉が効いてくるのです。実際はこれに試作型とテスト費用がかかってしまうので、この手の話はほとんどここで断ち切れてしまいました。

そんなことで以前よりこの校正刷りだけでももっと簡易的にできないかとは思っていました。そこで(のぼり)などを刷る大型プリンター業者に見積もりをとってみたのですが、費用的にはあまり変わらないのと、使用するインクが異なるのとで優位性が感じられずこれも断ち切れたままでした。また手持ちのプリンターが小さいこと、それより何よりも樹脂にはインクジェットでは刷れないという先入観が邪魔していたことの方が大きかったのかもしれません。


しかし先日またこのお話を頂いたこともあり、‘じゃ、いっちょやってみるか!’となった訳です。

 


2.わたしのプリンターで試してみる。

《テスト条件》
材  料  ピーチコートWGA370 
プリンター  ヒューレットパッカー製 DeskJet640C
印刷条件 1.用紙種類−普通紙 品質−ベスト
2.用紙種類−プレミアムフォト紙 品質−ベスト

※ピーチコートWGA370とはスチロールベースに表裏を紙と同じインクで刷れるようにコーティングしている合成紙で、オフセットで印刷し成型する場合の最良材料だと思っています。また370とは厚み(0.37)のことでこのあたりが一番使用途が広いと感じています。このピーチコートの様に表裏を特殊コーティングしていない通常樹脂は除外しました(先入観?)。

※ヒューレットパッカー製 DeskJet640Cはバーゲンで5000円で買った普通のプリンター(普通じゃない?)
※用紙・品質設定については特定のしようがなかったので、写真原稿に一番適している設定とそうでないものを選んでみました。

◎今回のテストは上記のように‘手持ち’という限られた条件のもとで行われたため、あくまでも参考資料としてご覧になってください。


プリントアウトは。

問題なく持って行きます。この厚みとコシから考えてもう少し難儀するかと思っていたのですが第一関門突破です。
プリントアウト中の写真

再現力と乾きは。
再現力 乾き
1.用紙種類−普通紙  品質−ベスト ×+
2.用紙種類−プレミアムフォト紙  品質−ベスト ×

プリントアウト評価

1の場合、用紙が不適と設定しているのにもかかわらず品質をベストとしているためプリンターができるだけ丁寧に刷ろうとしてかとてもゆっくり時間をかけます。仕上がりは2に比べほんの気持ちめりはりが見られる。ただしゆっくりもっこり刷っているせいか濃い部分は乾かない。 1の条件でプリントした写真(大きくなるように)
黒い部分に濃くのる分だけめ
りはりが。その分乾きが悪い
2の場合、用紙・品質ともにベストとしているためプリンターは‘条件は揃ってるぞ’と言わんばかりに比較的早く刷り上げます。ただし、仕上がりは1以上にめりはりがありません。印刷的には全くだめです。が、もっこりもないせいかかわきはとってもいい。
2の条件でプリントした写真(大きくなるように)
こすってもインクが手に付か
ない。サラサラで見た目にも
サラサラ。メリハリ全くなし
1.2を総ずれば印刷物としてはお世辞にもいいものとは思えませんが、絵柄が付いた成形品のダミーと考えれば使えないことはないかも知れません。
紙に印刷したもの



3.成形をしてみる。

《テスト条件》
過 熱  試作機による上面過熱のみの成形
型形状  1.ブーメランのような形状
 2.市販飲料水の缶を型取ったかなり勾配の急な形状
目 的  形状なりに伸ばされた時のインクの状態をみる
 (特に立ち上がり際が伸びるのか、ひび割れてしまうのか)

※インクの種類には大きく分けて乾かすものと固めるものとがあります。成形には乾かすインクの方が適しています。固めたインクは成形材料の伸びに対応できず割れてしまうのです。

◎今回のテストは上記のように限られた条件のもとで行われたため、あくまでも参考資料としてご覧になってください。


成形は。
伸びる、伸びますよ!正直言うと、インクは大小の差はあっても割れると思っていました。これにはびっくりです。

プリントアウト条件との相性は。
プリントアウト時の条件を問わず成形は可能のようです。

成形評価
今回のテストだけに限って言えば成形はできます。
成形品が二つ並んだ写真

缶形状の立ち上がりの写真(大きくなるように)
目で確認できる
割れはありません



4.---「インクジェットで刷ったもので印刷成形はできるか?」総評---

あくまでも限られた条件のもとで行われた成形テストということを前提にお話します。

私が今回の(?)を前々から感じながら今まで実際テストを行ってこなかったのは前述のように合成紙と言えども見た目にはどうみても一般家庭にあるようなプリンターでプリントをして成形には耐えられないと思い込んでいたからでした。しかし重い腰を上げたその結果は、品質・サイズその他の点で使用目的は選びますが、インクジェットで刷ったものでも印刷成形はできると分かり‘もっと手軽に印刷成形品のテストを行えないか?’という疑問点に対するある選択肢は作ることができたのではないかと思っています。


トップページへ

真空成形(成型)